脳動脈瘤(りゅう)の治療件数の病院ランキングです。2017年の実績ベース。関東・東京エリアが対象です。厚生労働省(厚労省)のデータに基づいています。1位が埼玉医科大学国際医療センター。2位は東京慈恵会医科大学附属病院、3位は順天堂大学医学部附属順天堂医院となっています。脳ドッグ専門の医師やクリニックを探しましょう。(医療・介護情報メディア「リトリート」編集部 大畑亮介)。

治療件数のトップ30【関東】~2017年実績

順位 病院名 治療数
1位 埼玉医科大学国際医療センター
(埼玉)
326
2位 東京慈恵会医科大学附属病院
(東京)
200
3位 順天堂大学医学部附属順天堂医院
(東京)
180
4位 獨協医科大学埼玉医療センター
(埼玉)
141
5位 横浜新都市脳神経外科病院
(神奈川)
138
6位 東京女子医科大学病院
(東京)
131
7位 武蔵野赤十字病院
(東京)
126
8位 獨協医科大学病院
(栃木)
110
9位 虎ノ門病院
(東京)
109
10位 横須賀共済病院
(神奈川)
104
11位 昭和大学病院
(東京)
100
聖麗メモリアル病院
(茨城)
100
13位 総合病院国保旭中央病院
(千葉)
97
14位 聖路加国際病院
(東京)
92
15位 東京医科歯科大学医学部付属病院
(東京)
90
日本医科大学千葉北総病院
(千葉)
90
17位 北里大学病院
(神奈川)
88
18位 横浜医療センター
(神奈川)
86
19位 森山記念病院
(東京)
82
20位 東京都立多摩総合医療センター
(東京)
80
21位 東海大学医学部付属病院
(神奈川)
78
22位 筑波メディカルセンター病院
(茨城)
77
23位 帝京大学医学部附属病院
(東京)
76
24位 横浜市立大学附属市民総合医療センター
(神奈川)
75
25位 総合新川橋病院
(神奈川)
73
26位 聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院
(神奈川)
72
27位 水戸ブレインハートセンター
(茨城)
69
北原国際病院
(東京)
69
杏林大学医学部付属病院
(東京)
69
埼玉医科大学総合医療センター
(埼玉)
69
東京都立墨東病院
(東京)
69

脳動脈瘤とは

脳の動脈の一部分がこぶのようにふくらんできます。

血圧に耐えられないようになると、こぶは破裂して出血してしまいます。

こぶができるのは先天的に脳動脈の壁が弱くて、長い間に血圧に押されてふくらむ場合と、脳の動脈硬化や細菌感染、頭部外傷などで動脈がふくれる場合があります。

出血が止まっても、放置するとまた出血して死亡する確率が高いものです。

症状

ふつうこぶができるだけでは炎症は出ず、なんの前ぶれもなく突然破裂して出血してしまいます。

重症の場合は身体の片側の麻痺や失語症といった後遺症が残ります。

治療

破裂した動脈瘤に対しては、再出血を予防するための手術をすることが望ましいものです。

手術ができない場合は脳圧降下剤などの薬剤を使用します。

まだ破裂していない動脈瘤に対しては、大きさにより手術を考えます。

<引用文献>
「家庭の医学 病気がわかる事典」

脳動脈瘤(りゅう)とは

磁気共鳴画像(MRI)装置などを使った脳の検査で、脳動脈の枝分かれした部分に小さなコブ、脳動脈瘤(りゅう)が見つかることがあります。何かの拍子で破れ、くも膜下出血が起きると、死亡や深刻な後遺症の原因にもなります。

くも膜下出血は女性にやや多く、慢性的な高血圧、喫煙、飲酒過多のほか、コブの大きさ(直径5ミリ超)、位置や形状、自覚症状の有無、家族歴などが危険性を判断する重要な指標になります。“悪条件”がそろうと、コブの根元をクリップで挟む外科手術か、コブの内側をコイルで塞ぐ血管内治療が検討されます。外科手術は体に負担がかかり、傷が残る反面、確実に治療できるのが利点です。

一方、血管内治療は、脚の血管から細い管を入れるだけなので負担は軽く、入院日数は手術の半分程度です。ただ、コイルが血栓を作るのを防ぐ薬の服用や、通院が長期間になる場合もあります。

コイル治療

「脳表面に近い血管は手術」「脳の深部はコイル」と、二つの治療法にはそれぞれ適性がありますが、最近はコイル治療を選択する方が増えました。いずれにも2~3%にコブの破裂や脳梗塞などの合併症が伴います。

コブが見つかっても、すぐに対処する必要はありません。多少の余裕はあります。できれば複数の施設で専門医の見解を聞き、治療法や医療機関を慎重に選択して下さい。

頭部を切開する開頭手術(2007年)

脳動脈りゅうの治療は、国内では、頭部を切開する開頭手術を行う医療機関が多い。

開頭手術は、頭蓋(ずがい)骨を切開し、顕微鏡で見ながら、脳動脈瘤の根元を洗濯ばさみのような金属製クリップで挟み、出血を防ぐ。日本では、脳動脈瘤の治療の8割を占める(2006年時点)。

だが手術は、メスを入れない脳血管内治療に比べ、体への負担は大きい。

脳動脈瘤が破裂し、開頭手術を受けた患者と、脳血管内治療を受けた患者の1年後の経過を調べた欧州などの研究が2002年に発表された。死亡または重い後遺症が残った割合は、開頭手術の30・6%に対し、脳血管内治療は23・7%と優れていた。欧米では、脳血管内治療が治療全体の6~7割を占めている(2006年時点)。

ただ、脳血管内治療は、1990年代半ばから後半にかけて本格的に始まった新しい方法である。治療後の動脈瘤の再発率など、長期の治療効果については、やや未知数な面があるという意見もある。

脳動脈瘤が破裂した場合、確実に再破裂を防ぐ必要がある。日本には脳血管内治療を行う専門家がまだ少なく、手術に慣れた医師の方が多いことも、開頭手術の割合が高い要因になっている。